三段の滝とは、
・鳩川の水を下溝と磯部の堺付近で相模川に放流する分水路です。洪水を防ぐために造られました。
・三段の滝は、二つあります。
昭和8(1933)年に完成した 「鳩川隧道分水路」 (旧三段の滝)
・栗山久光さん話 (下溝在住 2008年聞き取り)
「この辺りは昔から春と秋の台風の増水により川の水があふれ、 農家は大変な被害に遭ったものでした。 6月頃植えた稲が流されたり、腐ったりしてしまいました。

新三段の滝 (鳩川放水路)
ここで上流からの水を全て相模川に放流
*上部の架橋は県道46号

道保川から伏せ越しで流れてきた水の出口
(第2の旭川)
また秋には収穫前の稲が押し流されて、だめになってしまったこともありました。
家の近くに鳩川分水隧道ができました。工事が始まると毎日見に行ったものです。炭鉱で働いていた人たちが来ていたようです。隧道を造る時に大馬力の石油発動機を使っていました。 隧道は松の丸太で組んだ小トンネルを造り、コンクリートで固めて覆い、造られました。
この隧道の完成により鳩川の増水はなくなり、大いに助かりました。」
昭和56(1981) ~昭和63(1988) 年に築造された「鳩川放水路」(新三段の滝)
・近年、上流域の都市化による洪水流出量の増大に対処するために造られました。総事業費約50億円。旧三段の滝の約100m上流にあります。
相模原市内の観光スポットとして有名。 相模川とその向こうに大山や丹沢山地が見え、雄大な風景です。 三段の滝も雄大な景色ですが、もともとは洪水対策の施設です。
新旧2つの施設が連なり、複雑な構造に造られています。その構造を解説しています。
・上の写真は「鳩川と道保川の合流地点」
左:鳩川 中央:道保川(階段状 右:雨水溝
・二段目の写真は「旧三段の滝の隧道の入口」
*上部の石段の上に二つのコンクリート標識
「鳩川放水路」「昭和八年三月式」
・下の写真は「水門」